FPが解説!ローンのあれこれ!誰もが気になるローンのあれやこれや
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ローンを検討するにあたり、誰もが気になる審査や金利のことなど・・。数あるローンの中から賢くローンを選ぶにあたり、ポイントをファイナンシャル・プランナーが分かりやすく丁寧に説明します!これを読めば、きっとあなたもローンの達人・・!?

第48回 個人事業主が事業資金に使える融資を紹介!新型コロナウイルス感染症関連融資も解説 (2020年10月09日)

融資は事業拡大をあと押しするものの一つで、目的に応じて使い分ければ、非常に大きな力となります。また、近年では新型コロナウイルス感染症による経営悪化にともない、当面の事業資金を確保するために融資を必要とする方も増えています。
融資を受ける際は、融資の種類や特徴を知っておくことが大切です。特徴を知り、メリットとデメリットを把握したうえで、自分に合った融資を選択しましょう。
本記事では、個人事業主向けの融資を紹介したうえで、融資を受ける際のポイントを解説します。新型コロナウイルス感染症関連の融資も併せて解説しているので、コロナ禍で経営が悪化してしまった方は、ぜひ参考にしてください。

個人事業主が受けられる融資

個人事業主が受けられる融資には、国や行政が主体となる公的融資と、銀行や信用金庫などが主体となる民間融資があります。

公的融資

まずは、個人事業主が受けられる公的融資の概要を見ていきましょう。

日本政策金融公庫

日本政策金融公庫は政府系の金融機関です。国民生活・中小企業・農林水産の3つの事業を行なっており、創業や事業継承、海外展開など、さまざまな場面で事業者を支援しています。

個人事業主向けの融資制度も豊富で、金利や融資条件が民間融資に比べて優遇されており、無利子・無担保の融資もあるのが特徴です。

ただし、日本政策金融公庫の融資は、融資実行までに時間がかかるといわれ、短期間で融資を受けたい方には向いていません。審査に間に合うよう十分に書類などを準備してから申込むようにしましょう。

地方自治体の融資

小規模事業者を支援するため、金融機関や信用保証協会と連携して制度融資を設けている地方自治体もあります。融資の内容や条件は自治体によって異なるため、まずは制度融資があるかどうか、管轄の自治体に問い合わせてみましょう。

地方自治体の融資は日本政策金融公庫の融資と同じく、民間の金融機関の融資よりも金利は低いですが、連携する金融機関とのやり取りや信用保証協会の申込みを必要とすることが多く、審査には時間がかかります。借り入れを希望する場合は、早めに自治体の窓口へ相談するのがおすすめです。

民間融資

続いて、個人事業主が受けられる民間融資の概要を解説します。
民間融資は公的融資と比べて金利が高い傾向にありますが、融資金額の上限が高めで、審査から融資実行までの期間が短いといった特徴があります。
民間融資を銀行、信用金庫・信用組合、カードローンの3つに分け、それぞれの特徴を見ていきましょう。

銀行

民間融資でまず挙げられるのが、メガバンクや地方銀行の個人事業主向け融資です。融資の内容や条件は銀行によって異なりますが、おおむね金利が低く、融資金額は高いのが特徴です。

支店の多いメガバンクは相談の窓口が多いため全国で利用しやすく、また、地域密着型の地方銀行なら地域の実情を踏まえた相談ができるでしょう。

銀行から融資を受けるうえで課題となるのが、審査の厳しさです。特に事業開始前や事業を開始したばかりの場合、信用の積み重ねが少ないため、審査はさらに厳しくなってしまいます。銀行の融資を検討するなら、普段から取引を正しく行ない、信用を積み重ねておきましょう。

また、銀行には融資までスピーディーに進む、ビジネスローンと呼ばれるものもあります。一般的なビジネスローンは、無担保・無保証人で申込みができる反面、金利が高く借入可能額が低いことが特徴です。

信用金庫・信用組合

信用金庫や信用組合も、個人事業主向けの融資を行なっています。地域密着型の金融機関ならではの相談しやすさが特徴で、融資の審査も銀行に比べて柔軟な傾向にあります。

ただし、信用金庫や信用組合は、地方銀行やメガバンクほどの財政基盤を持っていません。そのため、金利は比較的高めで融資可能額もメガバンクや地方銀行よりも比較的低いというデメリットもあります。

カードローン

事業資金として、銀行やノンバンク(消費者金融など)が提供する、カードローンを利用する方法もあります。カードローンは原則として資金の使い道に制限がなく、無担保・保証人なしで借入可能で、融資までが早いという特徴があります。

ただし、個人向けのカードローンの場合、事業資金の利用を制限する金融機関が多くあります。事業資金の目的でカードローンを利用するのであれば、事業者向けのカードローンを申込むのが良いでしょう。

また、カードローンの金利は年3.0%〜18.0%などと幅があり、全体的に高めなので、借入金額が大きくなる場合には注意しましょう。

個人事業主が借り入れすることができるカードローンとして、アコム・アイフル・プロミスの商品概要を簡単に紹介します。

アコム カードローン
  • 貸付利率(実質年率):3.0%~18.0%
  • 融資限度額:1万円~800万円以内
  • 対象者:成人以上の安定した収入のある方
アイフル キャッシングローン
  • 貸付利率(実質年率):3.0%~18.0%
  • 融資限度額:1万円~800万円以内
  • 対象者:満20歳以上の定期的な収入と返済能力を有する方
プロミス フリーキャッシング
  • 貸付利率(実質年率):4.5%~17.8% ※新規契約の方が対象
  • 融資限度額:1万円~500万円以内
  • 対象者:18歳~69歳のご本人に安定した収入のある方

コロナの影響を受けた個人事業主向け融資

新型コロナウイルス感染症の流行によって売上が減るなどした個人事業主向けに、公的機関がさまざまな融資制度を設けています。

通常の融資より条件が緩和されているものが多いため、新型コロナウイルス感染症の影響を受けている場合は、こちらの融資も検討してみると良いでしょう。

また、新型コロナウイルス感染症関連の制度には、返済不要の補助金や助成金もあります。行政機関と相談しながらさまざまな選択肢を考慮し検討してみてください。

新型コロナウイルス感染症特別貸付(日本政策金融公庫)

新型コロナウイルス感染症特別貸付は、日本政策金融公庫が主体となっている融資制度です。コロナの影響で一時的に業況が悪化している方が対象で、無担保で融資が受けられます。資金の使い道は、設備資金および運転資金に限られます。

国民生活事業
  • 融資限度額:8,000万円(既存融資と別枠)
  • 返済期間:運転資金20年以内(うち据置期間5年以内)/設備資金20年以内(うち据置期間5年以内)
  • 備考:利子補給制度あり
中小企業事業
  • 融資限度額:6億円(直接貸付)
  • 返済期間:20年以内(うち据置期間5年以内)
  • 備考:利子補給制度あり

※新型コロナウイルス感染症特別貸付の詳細: 日本政策金融公庫 新型コロナウイルス感染症特別貸付

マル経融資(小規模事業者経営改善資金)(日本政策金融公庫)

マル経融資は、商工会議所や商工会の指導を受ける小規模事業者が、無担保・無保証人で経営改善に必要な資金を借りられる制度です。

新型コロナウイルス感染症の影響で売上高が一定以上減少している場合、融資限度額・利率・返済期間の要件が緩和されます。

  • 融資限度額:通常融資額2,000万円+別枠1,000万円
  • 返済期間:運転資金10年以内(うち据置期間3年以内(別枠の1,000万円以内))/設備資金10年以内(うち据置期間4年以内(別枠の1,000万円以内))
  • 備考:利子補給制度あり

※マル経融資の詳細はこちら: 日本政策金融公庫 マル経融資(小規模事業者経営改善資金)

セーフティネット貸付・経営環境変化対応資金(日本政策金融公庫)

セーフティネット貸付は、社会的・経済的環境によって経営が悪化した事業主向けの融資です。資金の使い道は、企業維持上緊急に必要な設備資金および経営基盤強化のための運転資金に限られます。

資金の使い道や返済期間などにより、異なる利率が適用されるほか、金融情勢によっても利率が変動するため、借り入れをする時期によって金利(固定金利)が異なる点に注意しましょう。

セーフティネット貸付では、新型コロナウイルス感染症の影響による特例措置として、貸し付けの要件が緩和されています。

国民生活事業
  • 融資限度額:4,800万円
  • 返済期間:運転資金8年以内(うち据置期間3年以内)/設備資金15年以内(うち据置期間3年以内)
中小企業事業
  • 融資限度額:7億2,000万円(直接貸付)
  • 返済期間:運転資金8年以内(うち据置期間3年以内)/設備資金15年以内(うち据置期間3年以内)

※セーフティネット貸付の詳細はこちら: 日本政策金融公庫 経営環境変化対応資金(セーフティネット貸付)

危機対応融資(商工組合中央金庫)

危機対応融資は、新型コロナウイルス感染症の影響で業況が悪化した事業者に対し、設備資金・運転資金を融資する制度です。

  • 融資限度額:元高20億円以内 残高6億円以内(日本政策投資銀行などとの合算)
  • 返済期間:20年以内(うち据置期間5年以内)
  • 備考:利子補給制度あり

※危機対応融資の詳細はこちら: 商工組合中央金庫 商工中金の危機対応業務 [pdf]

小規模企業共済制度の特例緊急経営安定貸付(中小企業基盤整備機構)

小規模企業共済制度の特例緊急経営安定貸付は、経済環境の変化により一時的に業況が悪化している小規模企業共済の契約者に対する融資制度です。

新型コロナウイルス感染症の影響で売上高が一定以上減少している場合、融資限度額の要件緩和や延滞利子の免除などの優遇措置を受けられます。

  • 融資限度額:50万円~2,000万円(掛金納付月数に応じて、掛金の70%~90%)
  • 返済期間:借入金額が500万円以下の場合:4年/借入金額が505万円以上の場合:6年(いずれも据置期間1年を含む)

※小規模企業共済制度の特例緊急経営安定貸付の詳細はこちら: 中小企業基盤整備機構 新型コロナウイルス感染症にかかる小規模企業共済制度の特例措置について

セーフティネット保証(中小企業庁)

セーフティネット保証制度は、経営の安定に支障が出ている中小企業者に対し、一般保証(最大2億円)とは別枠で保証をする制度です。利用条件や保証内容によって4号と5号に分かれているため、状況に合ったものを利用しましょう。

  • セーフティネット保証4号
    指定された地域において1年以上継続して事業を行なっており、かつ指定の災害によって影響を受けている場合に受けられる保証。
  • セーフティネット保証5号
    全国的に業況が悪化している指定業種のうち、市区町村長の認定を受けた中小企業者を対象とした保証。

※セーフティネット保証の詳細はこちら: 中小企業庁 セーフティネット保証制度4号セーフティネット保証制度5号

個人事業主が融資を受けるときのポイントは?

融資を受ける際は、融資の内容をよく知り、複数の手段を比較したうえで、十分に準備を整えておくことが大切です。ここからは、個人事業主が融資を受ける際のポイントを2つ解説します。

融資に必要な準備を整えておく

融資を受けようと思っても、すぐに融資を受けられるとは限りません。なぜなら融資の申請に必要な書類は多く、審査にも時間がかかるためです。

できるだけ早く融資を受けるためにも、決算書・試算表・資金繰り表・事業計画書などの必要書類は早めに用意しておきましょう。

また、融資の相談の際に決算書などの財務状況がわかる書類を持っていくと、スムーズに相談を進められます。いつまでにどれくらいの金額が必要か、どのように返済資金を捻出するのか、可能な範囲で考えておくことが大事です。

融資のメリット・デメリットを知る

金利・融資限度額・融資期間・審査の厳しさなどは、融資の内容によって異なるため、メリット・デメリットを理解したうえで、自分に合ったものを利用することが大切です。必要であれば、複数の融資を同時に申込むことも検討しましょう。

事前情報を調べて融資を受けよう!

個人事業主が受けられる融資には、日本政策金融公庫や地方自治体が主体の公的融資と、銀行や信用金庫などが主体の民間融資があります。

融資を受ける際は、情報収集が非常に重要です。さまざまな融資を比較検討して、目的に合った融資を受けられるようにしましょう。

イー・ローンでは、個人事業主が事業資金に使えるビジネスローンをランキング形式で紹介しています。融資を検討中の方はぜひ参考にしてください。

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文/加治 直樹